家族と落ち合う方法

武力攻撃が始まった時、どうやって安否確認するか、落ち合う方法などを、家族と真剣に話し合いましょう。

地震などの災害と異なるのは、空の高い位置で核爆発が起きた時は、電磁パルスが発生し、かなりの広範囲で、すべての電子機器が使えなくなるということです。そのため、スマホやネットに頼らない「アナログ」な方法で、連絡をとりあう方法を考えておく必要があります。

また、核攻撃や生物化学兵器の攻撃を受けた場合は、動いてはいけない地域はどこか、自分のいる場所は外に出ても安全なのかを、まず先に確認してから行動してください。「○○の地域は、屋内にとどまり、外に出ないようにしてください」などのニュースが流れると思われます。

攻撃を受けた地域が遠く離れており、空気が汚染されておらず、停電でインフラが止まって帰宅難民になった場合も、北朝鮮からのさらなる攻撃が予想される場合は、政府から「そのまま屋内に退避するように」と指示が出る場合があります。ラジオなどが手元になくても、防災無線の放送が流れる、駅員がアナウンスをするなどして、何らかの形で情報が届きますので、その指示に従いましょう。

 

次に、電子機器を使った連絡方法と、使わない連絡方法について、考えてみます。

1.電子機器が使える場合

(1)災害用伝言板サービスで安否確認

携帯を持っている家族全員が、携帯各社の「災害伝言板サービス」に登録し、利用の仕方について練習しておきましょう。自分の持っている携帯会社でなくても利用可能で、無料体験ができるものも多くなっています。

 au 災害用伝言板サービス
https://www.au.com/mobile/anti-disaster/saigai-dengon/

…自分の安否情報を登録。相手の番号がわかれば、全国から閲覧可能。「無事です。」「被害があります。」「自宅に居ます。」「避難所に居ます。」「コメント見て」の中から選択。自由コメント登録。

ソフトバンク 災害用伝言板

https://www.softbank.jp/mobile/service/dengon/boards/

…「無事です」「自宅にいます」「被害があります」「避難所にいます」「移動中です」「会社にいます」「学校にいます」の中から選択。さらにコメント入力機能あり。ソフトバンク以外の携帯やパソコンからも利用可能。

ソフトバンクアプリ 災害用伝言板

 

NTTドコモ 災害用伝言板
https://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/disaster_board/

 

Y!mobile 災害用伝言板サービス

 

(2)NTTの電話「171」で安否確認

携帯電話を紛失した場合でも、避難所や街頭に開設された「臨時電話」公衆電話を使って、「171(いない)」で安否確認を行うことができます。被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合に提供が開始される声の伝言板です。

自宅の固定電話、または自分の携帯電話を入力する必要があるため、日頃から番号を覚えておくか、手帳などに控えておく、財布にメモを入れておくなどして、家族の携帯番号を忘れないようにする必要があります。

あるいは、家族であらかじめ話し合って、「自宅の固定電話を171の連絡用に使おう」と決めておくとよいでしょう。

「171」のサービスでは、声で30秒間だけ、録音ができます。必要な情報を30秒で、簡潔に録音しましょう。

自分が録音したあと、続けて家族が録音するかもしれないので、定期的に聞きましょう。

人に聞かれたくない場合は、パスワードを設定することができますが、その場合は、そのパスワードを家族全員があらかじめ知っている必要があります。パスワードをかけなければ、誰でも聞けます。遠くの親戚や友人などが、あなたの番号で安否確認する場合は、パスワードは設定しないようにしたほうがよいでしょう。

NTT東日本ホームページより

 

<録音例>※自分の居場所は必ず伝えてください

1.「無事です」「怪我をして○○病院にいます」

2.今、○○にいます

3.「これから自宅に徒歩で向かいます」「○○県のおばあちゃんの家に避難します」

 

 

NTT東日本の「171」のWeb版もあります。Web版は、インターネットで安否確認を行います。

※災害用伝言板(web171)

https://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/

 

(3)遠くの親戚を連絡先にしておく

家族で伝言板サービスに登録していない場合、ネットが通じない場合、電話が通じるようであれば、被害のなかった地域の親戚を、家族の連絡先にしておいて、そこに安否情報が集まるようにしましょう。

普段から家族で話し合って、「何かあった時は、九州のおばあちゃんの家に、安否情報を連絡しよう」と決めておき、電話番号をしっかりメモして、いつもカバンに入れておく、定期など身につけるものに入れておくなどしましょう。

 

2.電子機器が使えない場合

核爆発が高い高度で起きた場合は、電磁パルスが発生して、ほぼすべての電子機器が使えなくなります。

また、大きな災害の時は、自分の命が最優先ですから、荷物や携帯よりも生命を守る行動をとらねばなりません。携帯をなくした時にも、同じようにどこに集合すればよいかを、あらかじめ決めておけば安心です。

(1)自宅を離れる場合

自宅が倒壊するなどして避難する場合は、帰宅した家族に居場所がわかるように、壁やドア、板などに直接油性マジックで、「○○に避難します 母より」など、はっきりと書いておきましょう。紙に書いてガムテープで貼る場合は、雨に濡れない場所に、しっかりと張って固定します。

(2)集まる場所は、複数決めておく

家族が離れていた場合、通常は自宅に集合することが多いと思いますが、自宅付近が危険な状況だった場合を想定して、自宅以外の集合場所を決めておきましょう。(例:自宅近くの避難場所、隣の町の大きな公園、父親の会社、隣の県の親戚の家など)

 

3.「自宅を目指す」と決める前に

東日本大震災では、帰宅難民になった方の多くが、すぐに自宅を目指して歩き始めました。

2017年9月時点での今、もっとも危険が想定されているのは、北朝鮮によるミサイル攻撃という、現代の日本人がかつて経験したことのない事態です。

もしも武力攻撃を受けたら、特に核ミサイルが近くに落ちた場合は、安全な場所を動かずに、2日間はじっとしていたほうがよいですし、自宅へ向かう途中で大規模火災が発生していたり、第2波、第3波の攻撃が続くようであれば、むやみに自宅を目指すのはかえって危険です。

早く家族の顔が見たい、無事を確認したいという気持ちをおさえて、安全になるまではむやみに場所を動かず、我慢することも必要になります。「絶対に、無事に家に帰る!」と強く心に決めて、頑張りましょう。

 

4.通学途中の子供をどうやって守るか

子供が学校にいた時は、保護者が迎えにくるまで、学校で子供を預かってくれますが、もし通学途中で被災したらどうするか、話し合っておきましょう。

徒歩で通学できる距離の学校であれば、ミサイル発射時の初期動作(頑丈な建物に逃げる、地面にふせて頭を守るなど)をよく教えておいて、ミサイルが通過、あるいはどこかに着弾したあとは、急いで自宅に徒歩で帰ってくるなり、親が通学路に探しに行くこともできます。

電車で通学している場合は、電車に乗った時間から計算して、どのあたりにいる時に被災したかを、割り出すことができます。

武力攻撃の危険が去るまでの間だけでも、「今日は何時の電車に乗ったか」を、必ず親が毎回確認するようにしましょう。たったそれだけで、子供を探しに行く時に、どこにいるかの目安になります。

 

小学生のお子さんの場合

小学生のお子さんの場合は、

「駅員さんの指示に従って、みんなが避難する方向に一緒に避難するように」

「安全そうな場所に落ち着いたら、そこを動かないように」

「どこの駅(駅と駅の間)にいたかは、だいたいわかるから、必ず探しに行くね」

などと決めておきましょう。

 

毎日、授業は何時に終わるのか、クラブ活動は何時に終わるのか、しっかり子供の行動を把握して、下校中に寄り道をしないようにしっかり言い聞かせてください。

 

大きいお子さんの場合~子供の行動を把握すること

中学生、高校生のお子さんの場合は、ある程度自分で判断して動くことができます。家を目指すよりも、学校が近ければ学校に行ったほうが安全な場合もあります。ただし、それも途中の経路が安全であれば、です。

近くに親戚の家や親の会社があるなら、そこを落ち合う場所に決めてもよいでしょう。

何時の電車で登校したか、下校時間は何時かを把握しておくのは、小学生のお子さんと同じです。

携帯電話を持参してよい学校であれば、家族の現在位置がわかる「位置情報サービス」をぜひ活用してください。

高齢者の徘徊用にも使えるサービスですが、携帯さえつながれば、災害時に家族がどこにいるかを把握することができます。中高生のお子さんで、自分の立ち寄り先を親に知られるのを嫌がるお子さんは多いでしょうが、命にかかわることですから、武力攻撃の危険がある今の期間だけでもよいので、ぜひ説得して、位置情報サービスアプリを入れることを検討してください。

※iPhoneの「位置情報共有サービス」
https://support.apple.com/ja-jp/HT201087

他の携帯各社も、同様のサービスが用意されています。

 

5.自宅(落ち合う場所)に向かうと決めたあと

家族で落ち合う場所に向かうと決めたあとも、自然災害と決定的に違うことは、武力攻撃は何度も続く可能性があるということです。

自宅に向かって歩きながら、途中でまた警報が鳴れば、その時点で一番安全な場所に、また駆け込まねばなりません。

「焦らない」「無理をしない」「家族はきっと大丈夫」と信じて、周囲の人たちと声をかけあったり助け合いながら、安全を確保して自宅を目指してください。

  • 無理をせずに、精神的なダメージが強かったり、歩いて帰るのは無理だと思ったら、頑丈な建物や避難場所で避難を続けましょう。
  • 学生の場合、学校の持ち物には制限があると思いますが、可能であれば、普段から飲み物、トイレ対策のポンチョ、地図を持ち歩きましょう。(普段から持ち歩く防災用品 参照)
  • 大きな被害を受けた地域を歩く時は、ビルの下など危険な場所(ガラスが落ちてくる)、火災発生地域を避けて自宅を目指してください。
  • 自宅にたどりつくまで、何日もかかる場合は、途中で大きな公園などがあれば、まずはそこを目指すとよいでしょう。
  • 都会で地下鉄が発達している地域では、多少遠回りになっても、いつ何があっても地下に逃げられるよう、地下鉄路線にそって歩くことを検討してください。(スマホの地図サービスは電気を消耗するので、普段から小さな地図を持ち歩いたほうが安心です)