備えよう

1.核・テロ攻撃への備えは、「防災」と同じ

日本は世界有数の地震国であり、地震に対する備えはかなり進んでいます。「核ミサイルに備える」といっても、普段の防災の延長線上で考えればよいのです。

日本人は、普段から地震に備えて、自宅に非常用の水や食糧を備蓄する習慣があります。地震への備えに加えて、核ミサイル攻撃やテロでは、どういった準備が必要かを考えて、足りないものを加えていけばよいのです。

この「備えよう」の章では、以下の項目について、できるだけ詳しく採り上げます。

 

非常用の備蓄(自宅・会社での備蓄)→さらに詳しく
  • 最低1週間分(理想は2週間)の水・食糧の備蓄(家族の人数分)
  • 風呂桶に水を常にためておく
  • 簡易トイレの準備
  • 情報収集ツール(ラジオ、スマホ、ワンセグテレビ)
  • 電源の確保(電池、充電器、発電機)
救助活動のために必要なもの →さらに詳しく
  • バール
  • のこぎり
  • ジャッキ
常に持ち歩く防災用品リスト →さらに詳しく
  • 帰宅難民になった場合を想定する(帰宅地図、携帯ラジオ、トイレポンチョ)
  • 会社に置いておきたいもの(スニーカー、Tシャツ)

2.自然災害と「武力攻撃」との違いは?

地震などの自然災害と異なり、武力攻撃は一度では終わりません。戦闘状態がしばらく続いている間は、自治体の救援活動はのぞめません。これが地震などとの大きな違いです。

通常であれば災害派遣される自衛隊は、国防(応戦・反撃)に専念するため、自衛隊は住民の救援にはやってきません。避難所を開設しても、自然災害のようにそこに救援物資が届くとは限りません。

「自衛隊は来ない」ことを念頭におき、行政にも頼らず、まずは自力で1~2週間は生き抜けるように、備えをする必要があります。

また、核ミサイルや化学兵器が使われた場合は、安全が確認されるまで、しばらく自宅の外に出ることができません。この点も、すぐに避難所が開設され、救援物資の配給を受けられる地震や水害とは、大きく異なる点です。

高齢者がいる家庭、小さい子供がいる家庭、ペットがいる場合など、各家庭に応じた「備蓄」が必要です。

 

3.「被災者」から「助ける側」に回るために

地震などの自然災害でも同じですが、まず自分が助かること、怪我をしないで、「自分の命は自分で守る」ことが大切です。それは、「自分だけが助かればいい」というエゴではなく、自衛隊や警察などの救援がほとんどのぞめない緊急時においては、住民同士がお互いに救助しあうことが、大切だからです。

阪神淡路大震災では、倒壊した家屋から救出され、生き延びることができた人の約80%が、警察や自衛隊ではなく、近隣の住民の手によって瓦礫の下から助け出されています。

阪神淡路大震災、発災2日目。住民による救助活動。

発災直後の、公的な救援が望めない期間は、住民の手による「共助」と、自助が重要になります。怪我をしないこと、しっかり水と食糧を確保して生き抜くことは、一人でも「助けられる側の人」を減らし「助ける側」に回れる人を増やすために、大切なのです。

 

4.どういう事態が発生するか、シミュレーションしよう

Jアラートが鳴った時、またはアラートが鳴らずにいきなり閃光(せんこう)が走った時など、とっさにどういう行動をとればよいか、普段からシミュレーションして、家族とも話し合っておきましょう。

普段自分(家族)がよく立ち寄る場所を思い出し、そこでテロやミサイル攻撃に遭遇したらどうすればよいか、具体的に考えておきましょう。

5.家族との連絡の取り方

ミサイル攻撃を受けた場合は、広範囲にわたって停電する可能性が高くなります。また、地上ではなく高高度で核爆弾が爆発した場合は、核兵器の電磁波パルスによって、パソコンや携帯電話などの電子機器は使えなくなります。メールも電話も使えないということです。

電磁波パルスによって電子機器は使えなくなる

電話やメールが使えなくても、安否確認をする方法、家族と落ち合う方法を普段から話し合っておく必要があります。

 

6.避難訓練

ミサイル着弾を想定した避難訓練を実施する自治体が増えてきていますが、東京や大阪などの大都市ではまだ一度も実施されていません(2017年8月16日現在)。

今後は地下鉄事業者と連携した避難訓練や、地下施設への避難者受け入れ訓練、企業単位での訓練も急がれます。

7.核シェルターの整備

諸外国と比較して、日本の核シェルターの普及率はわずか0.02%。

一般住宅の庭の地下にシェルターを設置したり、自宅の地下室をシェルターに回収する場合に、国が助成金を出すなどして、早急に核シェルターの普及を進める必要があります。

また、小中学校や高校の校庭の地下に、付近の住民を収容できる公共大型シェルターを設置し、国の責任ですべての国民が逃げ込めるだけのシェルターを確保すべきです。

とはいっても、現実に目の前に迫っている北朝鮮による核攻撃の脅威を考えると、今から新たな核シェルターを建設しても、とても間に合わないかもしれません。

一番早くて現実的な方法は、地下鉄や地下街などの既存施設、地方であれば山の中を通る「トンネル」などを、公共の核シェルターとして使えるように、空気ろ過装置や密閉ドアを設置する改修工事を行うことです。