核攻撃の被害想定

北朝鮮の核ミサイルの威力

北朝鮮は核弾頭の小型化に成功したと言われていますが、北朝鮮が使用すると思われる核爆弾は「50キロトン」と推定されています。

これは広島や長崎型原爆の約3倍、ロシアが開発した水爆『ツァーリ・ボンバ』の1000分の1の威力です。

広島型原爆は一番左。拡大しなければ見えない。右はソビエトのツアーリ・ボンバー(水爆)。

核ミサイルの被害想定を算出できるサイト、「NUKE MAP」(http://nuclearsecrecy.com/nukemap)を使って、被害範囲をシミュレーションしてみましょう。

被害は意外と限定的。恐れすぎないこと!

「核爆弾」と聞くと、まるで都市全体が壊滅してしまうような印象を受けがちですが、下図を見てもわかるように、仮に東京駅に落ちた場合でも、被害は爆心地から2~3km圏内で、限定的であることがわかります。ほとんどの地域には影響はありませんので、必要以上に恐れることなく、冷静に行動して身を守り、最善の努力を尽くしましょう。

もちろん、それでも万単位の犠牲者が出ることには違いはありませんが、東京全体が壊滅してしまうわけではありません。地下に逃げる、コンクリート製の建物に逃げ込むなど、しっかりと防御をすれば、爆心地以外のほとんどの人は助かる可能性が高いのです。

(爆心地であっても、大深度地下の地下鉄など、地下深くにいた場合は、助かる可能性が高くなっています)

以下に、東京駅に核ミサイルが着弾した場合の想定地図を掲載していますが、誰でも簡単に、場所と爆弾の規模を指定すれば被害想定を算出できます。

<簡単にシミュレーションできるサイト>

核爆発被害シュミレーターver.2 

「NUKE MAP」(http://nuclearsecrecy.com/nukemap)

 

「NUKE MAP」を使って、お住まいの地域のシミュレーションをしてみましょう。

 

北朝鮮ミサイルの被害想定

東京駅に50キロトンの北朝鮮の核ミサイルが着弾した場合の被害想定(NUKE MAPにより算出)

東京駅に50ktの核ミサイルが落ちた場合

■ 火の玉の大きさ 半径380m

閃光(せんこう)が光った瞬間、ほとんど苦しみもなく生物は気化する。

東京駅に着弾した場合は、東京駅駅舎、駅前の丸ビルなどまで

ただし、広島原爆でも爆心地からわずか170mの建物の地下1階にいた人は生存しているため、東京駅の地下や商業ビル地下にいた場合は、助かる可能性が非常に高い。

 強烈な爆風 爆心地から0.8km

コンクリートの建物も激しく損壊する。屋外にいた場合の死亡率は100%。

有楽町駅、大手町駅、帝国劇場、皇居前広場、日銀本店、日本橋の一部、八重洲、銀座の一部まで。

 強い放射線・爆風の範囲 爆心地から1.7km

爆風でほとんどの住宅が損壊。死傷者多数。
放射線量も高く、医療処置なしでは、数時間~数週間以内の放射線による死亡率は50%から90%の間と予想される。

銀座、築地、新橋演舞場、日比谷公園、帝国ホテル、霞が関駅、神田駅、官庁街の一部(警察庁、検察庁、国土交通省、厚生省など)、皇居、神田一帯、日本橋一体まで。

 屋外にいると第三度熱傷を受ける範囲 爆心地から2.87km

白や茶色などに変色、ひどく焼けただれる、乾燥、壊死、場合によっては炭化する。無痛、知覚なし。治癒期間1カ月以上。ケロイドが残る。

晴海、浜松町、赤坂、溜池山王、首相官邸、麹町、靖国神社、市ヶ谷の一部、飯田橋の一部、水道橋駅、湯島、秋葉原、両国、深川などまで。

 


『諸君!』20074月号より一部抜粋

高田純 札幌医科大学教授

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地下や頑丈な建物にいれば助かる

戦後日本の学者やマスコミは「核兵器が使用されればみんな死ぬだけだ」という似非科学恐怖を日本人に刷り込んできました。しかし、そうではないんです。

たとえ爆心2キロ圏内でも地下街に居たり、堅固な建物内部にいた人は助かります。

実際、広島では爆発地点から170メートルしか離れていない鉄筋コンクリート建物の地下1階に居たため助かり、昭和57年まで健康で暮らした野村栄三さんがいます。また半径500メートル以内では78名が生き残っていました。

 

例えば中国から発射された核弾頭は日本への飛翔時が6~7分です。

咄嗟のことではありますが、この時どう行動しますか?

しかし、残念ながらこれに答えられる日本人はいないでしょう。・・・

 

核爆発の人体への被害

まず、核災害で最も大きな被害をもたらすのは爆発時の“閃光”と“衝撃波”です。

広島でもこの2つが20万人を超す死傷者を出したのですから、核災害から生き残るにはこの2つの初期被害をいかに回避するかがポイントです。

核兵器といえば放射線被曝を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、放射線は脅威の一部でしかなく、核爆発エネルギーの5%に過ぎないのです。

熱線

まず、核爆発の瞬間、熱線が光の速度で発射されます。この閃光熱傷を浴びた人は皮膚の表面だけが熱を受けて焼きただれ、皮膚が破けてしまいます。

この熱線を浴びてしまうと最低でも重症は避けられません。しかし、熱線は建物内部に避難し、外部光の入らないところに移動すれば防ぐことができます。ですからまずは近くの建物に避難するのが最善です。

衝撃波

次に、この熱線の後に衝撃波がやって来ます。これは核爆弾の大きさによっても変わってきますが、衝撃波は音速よりも早く秒速700メートル以上の威力を発揮します。

このため地上にいる人間は吹き飛ばされ、コンクリートに激突して死亡します。あるいは建物の中にいて熱線を免れても、コナゴナに吹き飛ばされたガラスやコンクリート片が突き刺さって死亡するのです。

広島や長崎の場合、屋外にいて吹き飛ばされた人も多かったのですが、少し遠方では弾丸のように飛んでくるガラス片が突き刺さり絶命した人が圧倒的に多かったのです。

この衝撃波がやってくるときに直立していれば、それだけガラス片が突き刺さる表面積が増大するので、屋内では窓ガラスから離れた建物の中心部や廊下などに退避し、伏せてガラス片が突き刺さる面積を最小限にするのが重要です。

火災

その後、爆発地点では熱線の熱によって大規模な火災が発生します。周辺を焼き尽くし、熱傷で重傷を負って動けない状態だとこの火災で命を落とすことになります。

また、即死する量ではありませんが地面や建物の残骸には中性子により放射化されますから、すぐに爆発地点から脱出する必要があります。この場合、車は通行できないほど地表が破壊されていますから使用できないでしょう。

地下鉄路線を使って、被災地から脱出する

そこで脱出手段として重要なのが地下鉄です。分厚いコンクリートや地表に覆われた地下空間は閃光と衝撃波、初期被害をかなり軽減でき、核爆発が起きても地下はかなり安全が確保されます。核災害でも地下鉄を運行出来れば危険な爆発地点から避難させられますし、自衛隊の救助活動でも迅速に使うことができます。

 

核ハザードは時間の経過とともに減少していきます。特に中性子による放射化の場合は顕著です。

広島、長崎の原爆では「今後70年間ペンペン草一本生えない」と言われましたが、実際には放射線量は7日後には健康に全く影響を与えないレベルに戻りました。

チェルノブイリ事故の急性死亡者は30名、その後、4000人の子供が甲状腺がんになりましたが、実際に死亡したのは15名です。

ひとつ知っておいてもらいたいのは、核爆弾と原発はどちらもプルトニウムやウランを原料にしていますが、その濃縮率は核爆弾は90%、原発が5%以下です。原発の原料は濃縮率が低いので事故を起こしたり、ミサイル攻撃を受けても核爆発は起こらないのです。

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